デジタルアーカイブ研究所
ミッション

 デジタルアーカイブは各方面から注目されています。図書館や博物館、文書館の文化遺産だけでなく、グローバル化対応が必要になった企業の文書・特許等資料をデジタルアーカイブ化し、社会の共有財産として組織的に活用することが社会から求められています。
 これら社会的ニーズに対応するため、デジタルアーカイブの基礎理論、各分野での活用や教育方法の研究を進め、デジタルアーカイブを基礎とした知識基盤社会の充実を図り、我が国の発展に役立てることが研究所の使命です。

開所の経緯

 岐阜女子大学は、平成12年に文化情報研究センターを設置・デジタルミュージアムを開館し、その後、文化創造学部にアーカイブ専修、大学院にデジタルアーカイブ教育の充実を図ってきました。
 また、文部科学省からは、大学教育で現代GPにデジタルアーキビストの養成(平成16〜18年)社会人教育で"社会人のためのデジタルアーキビスト教育プログラム(平成19〜20年)"大学院で"実践力のある上級デジタルアーキビストの育成(平成20〜22年)"に採択され、学部生、社会人、大学院でのデジタルアーキビスト育成カリキュラムを整備し、学内外での人材育成だけでなく、NPO法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構を通じた全国的な資格取得制度を確立しました。
 一方、デジタルアーカイブの開発は、平成12年から、多くのデジタルアーカイブを開発してきました。たとえば、沖縄デジタルアーカイブと連携させた沖縄修学旅行おぅらいは、毎年約1万冊が沖縄の修学旅行に利用されるに至りました。
また、デジタルアーカイブの理論とそれらの実践への適用について研究を進めてきました。その成果は、論文資料の他、大学、大学院生用の教科書として出版し、全国の関係大学・大学院で利用されています。
 このように本学のデジタルアーカイブの基礎研究・教育・開発の発展に対応し、社会では図書館・博物館・企業等でデジタルアーカイブの開発が広く始まりました。
 NPO法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構が養成した社会人のデジタルアーキビストは毎年増加し、約2,200名となりました。
さらに、デジタルアーカイブの発展の状況を背景に、企業、研究機関から共同研究や研究委託、研修等の要望が本学に寄せられています。
このため、教育関係者、企業、研究機関等からの要望もあり、また、本学の長期計画の1つとしてデジタルアーカイブ研究所を設置します。

 岐阜女子大学 学長 後藤 忠彦

 

平成27年2月11日デジタルアーカイブ研究所開所式の様子

デジタルアーカイブ関係者から寄せられたメッセージ

デジタルアーカイブ研究所の開所にあたり、関係の方々よりメッセージをお寄せいただきましたので、ご紹介させていただきます。


岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所の開所にあたって

 岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所の開所、誠におめでとうございます。
文化財建造物保存技術協会は、国民共有の文化遺産である国宝、重要文化財その他の文化財建造物等の保存修理における設計監理業務に携わり、文化資料の保存と活用に関与しております。
 国際化が進んだ時代にあっては、日本各地に残った伝統的建造物、民俗芸能・行事をアーカイブ化し広く伝えることによって、日本人のアイデンティティーを涵養することが特に求められているのではないでしょうか。
 また、クールジャパンとして国際的に評価されているアニメ・漫画などの文化芸術活動や、特許アイデアなど企業や研究機関で育まれた知的財産を蓄積・活用し企業収益を高めるためにも、デジタルアーカイブ化は必要になるでしょう。
 このように高度情報化社会において、日本の目指す知識基盤社会を支える各分野でのデジタルアーカイブの充実が求められています。
研究所の開設により、デジタルアーカイブの理論研究や実践方法の社会での共有と進展、デジタルアーキビスト等の人材養成手法の開発により、日本文化全体のアーカイブ化が進み、豊かな心と、豊かな生活を人々にもたらす可能性があります。
 岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所の発展と活躍に期待します。

 文化財建造物保存技術協会理事長 佐々木正峰(元文化庁長官、元国立科学博物館長)

 

 デジタルアーカイブ研究所の開設おめでとうございます。弊社が運用するクラウド型歴史資料検索閲覧システムADEAC(アデアック)への参加機関は現在20団体余り。まだまだ図書館や博物館では、デジタルアーカイブは特別なものと捉えられています。
 この研究所の開設により基礎理論が確立し、それを実践できる人材が各地に放たれ、デジタルアーカイブが当たり前となる日が近づくものと大いに期待しています。

 TRC-ADEAC株式会社 代表取締役 田山健二

 

 岐阜女子大学・デジタルアーカイブ研究所の開設、まことにおめでとうございます。
 日本には世界に誇れる伝統文化が数多くあります。省資源の日本において、情報インフラを充実させることは、今後の日本の文化、社会を充実させ、経済を発展させる重要な基盤となると考えております。しかし、全ての文化施設や企業がデジタル化のノウハウ、設備、人員を備えていないのが現状です。
 研究所で学ばれた方々によって、デジタルアーカイブを身近な手段にしていただければ、アーカイブコンテンツが増大していきます。そして、デジタルアーカイブ研究所の新たな伝達方法や表現方法が、欧米諸国のように文化資産のデジタル公開を進めていく大きな一歩になることでしょう。
 岐阜女子大学・デジタルアーカイブ研究所によって情報・文化がさらに発展し、豊かなくらしに貢献されることを期待しております。

 凸版印刷株式会社 関西情報コミュニケーション事業部 事業部長 斉藤 昌典

 

 デジタルアーカイブ研究所のご開所にあたり、心よりお祝い申し上げます。
 開所の趣旨・ミッションにございますとおり、地域文化、産業、教育等の継承と発展、並びにそれを担う人材の育成は大変重要であり、貴センターが果たされる役割は有意義かつ無限の可能性を持つものと確信いたします。
 『知的資産の継承の大切さ』を広く社会に認識されるため、貴センターがその推進役となられますことをご期待申し上げます。
 今後、長きに渡るご発展を心よりお祈り申し上げます。

 ナカシャクリエイテブ株式会社 代表取締役 山口 寛

デジタルアーカイブ研究への取組
デジタルアーカイブ研究所の機能