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B地区デジタルアーカイブ B地区平面模式図(略)
Ⅰ区Ⅱ区谷川Ⅲ区
平成22年度 発掘成果

撮影日 2011/02/22
  
 一段目のBⅠ区は東と南側を石垣(高さ推定5m)で区画した平坦地で、1辺約7.5mの方形又はコの字状になる建物の基礎と考えられる円礫石組み、礎石、大量の焼けた壁土が見つかりました。壁土は蔵の壁を思わせる厚さ10cmになるものもあります。
 現在、円礫石組みはセン列建物におけるセンと同様の機能を有していたと考えらますが、石組み遺構の外側にも礎石が確認されること、周辺の石垣表面が被熱していることから、空間全体に建物が存在する特殊な構造であったと考えられます。
  
 ルイス・フロイスは居館の庭について「庭と称する極めて新鮮な四つ五つの庭園があり・・・」と記しています。これを裏付けるように、平坦地ごとに池の州浜や枯山水庭園の石敷きと思われる遺構が見つかり、居館には庭が点在していることがわかってきました。
 平成21年度には、居館の最奥部(BⅢ区)では円形状石組みと池が一体となった園池遺構が見つかりました。円形状石組みは手水や泉のような施設であったと考えられます。北隣には石組みと円礫を敷いた州浜で護岸した池があり、池の中には長良川の砂が敷かれていた。この園池遺構は、構造や立地などから室町第8代将軍足利義政の別荘「東山殿」や「西芳寺」の上部庭園に類似し、室町将軍邸の庭の系譜につながる可能性が考えられ、日本庭園史の中で大変貴重な資料になると考えられます。
 平成22年度はさらに周辺を調査したところ、円礫(川原石)を敷き詰めた池の州浜が見つかりました。
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