日本教育情報学会第26回年会の開催にあたって

日本教育情報学会第26回年会実行委員長 村瀬康一郎(岐阜大学)

 日本教育情報学会第26回年会を8月21日(土)・22日(日)の両日,岐阜市のじゅうろくプラザ・岐阜女子大学文化情報研究センターを会場に開催いたします。

 本年会では『教育の原点に光を当てる〜乱流の中の本流を見出す〜』をテーマにいたしました。このテーマの趣旨は,本学会設立発起人の一人である故深谷哲教授の言葉「社会の情報化が急激に進んでいく"乱流"の渦のなかで,学校だけがそこからはずれて存在することは不可能である。使い捨てになる一過性の情報の洪水にさらされ,「軽薄短小」なるものへの志向が,子供たちを安直な知識の獲得へと向かわせる。大きな時代の流れの中で,そのことだけをとりあげてとやかくいってもはじまらないが,それだけにまた,そうした情報の働きを的確にとらえ,有効に活用していく道を開拓することの必要性にせまられている。」からきています。そこで本年会では,四半世紀以上前からのわが国の教育課題の重要課題であり,日本教育情報学会の設立趣旨でもある“教育情報の整備・流通をいかにすべきか”に立ち返り,今日の教育の見直しを図る機会にしたいと考えております。

本学会では設立当時,著作権,教材開発,コンピュータの教育利用,教育情報の分野で研究活動を行ってきました。これらの実践研究の歴史を踏まえ,現在では,今日的な教育課題であるデジタルコンテンツの教育利用方法や著作権のあり方,特別支援教育などについての研究も進めてられております。その中で本年会においては,現在の教育課題を再度見直し,乱流の中の本流の教育を見出すことを,会員はじめ参加の皆様とともに考えていきたいと考えております。

 是非多くの皆様が第26回年会にご参加いただけること,そして有意義な議論がなされることを期待しております。