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11月19日 公開シンポジウム プログラム

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日本と南アジアの新時代~ 「グローカル」視点による岐阜からの発信~』

 

日程:20221119日(土曜日)午後1時〜午後430

 

会場:岐阜女子大学 文化情報研究センター 6階 大会議室

ハイブリッド形式:会場(100名)・オンライン(Zoom、最大200名)

 

 

外務省認定:2022年日本・南西アジア交流年」事業  (ロ ゴ)
後援:公益財団 法人岐阜県国際交流センター 

    岐阜県大野郡白川村教育委 員会  

 

 

主催:岐阜女子大学南アジア研究センター地域研究コンソーシアム(JCAS

 

 <タイムスケジュール>

 

13:0015:00  (12:40 開場)
1

「イ ンド太平洋戦略を多角的に読み解く〜日本・南アジア・太平洋地域〜」

 

・挨拶    杉山博文(学校法人華陽学園(岐阜女子大学)理事長)  

 

・趣旨説明・発表者等紹介(ファシリテーター)  ペマ・ギャルポ  

(岐阜女子 大学南アジア研究センター センター長、名誉教授) 

・基調講演 「インド太平洋戦略と南アジア―日本の対応」    

   堀 本武功(岐阜女子大学南アジア研究センター 特別客員教授)

 

・発表1  「オーストラリアから見た「印豪連 携」の可能性」 

          小暮哲夫(朝日新聞 Globe副 編集長)

 

・発表2  「インドにとってのインド太平洋とク アッド」 

   笠井亮平(岐阜女子大学南アジア研究センター  特別客員准教授)

 

・ コメント  河辺一郎
            
(愛知大学国際中国学研究センター 教授) 

 

・質疑応答・討議  

 

 =終了、休憩=

 15:101630
2部 「岐阜の世界遺産からの発信〜グローカルの視点か ら〜」

Insightful messages from Gifu's World Heritage Sites: Glocal Perspective-

・ 趣旨説明・ファシリテーター 福永正明   

       (岐阜女子大学南アジア研究センター特別客員教授)

 

・発表1 <オ ンライン> 「白川郷は、今どうなっているか」   

          宮丸和之
(岐阜県大野郡白川村教育委員会 教育長)  

・ 発表2 <オン ライン>「白川郷の素晴らしさと発信力~南アジアの視点から~」
(英文発表)

“The  Resplendence of Shirakawa-go and its Impactful Lessons: A South Asian Perspective"
ラー ナー・ピー・ビー・スィンフ(Prof. Rana P. B. Singh
(岐阜女子大学南アジア研究センター 特別客員教授)  
 [コーディネーター:ケイト・ストロネル、南アジア研究セン タ― 特別研究員]

・発表3 「岐阜県によるサステナブル・ツーリズムの推進」
         加藤 英彦 
          
岐阜県商工労働部観光 国際局観光誘客推進課 観光誘客企画監)

・コメント 阿部健一
          
(人間文化研究機構総合地球環境学研究所 教授)

・質疑応答 

 

 

=終了=

 

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ファシリテーター・発表者  紹介
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1部 

 

<ファシリテーター>  ペマ・ギャルポ

 

現職 岐阜女子大学南アジア研究センター センター長(名 誉教授・フェロー)

一般社団法人インド太平洋戦略研究センター代表理事、拓殖大学国際日本文化研究 所客員教授、桐蔭横浜大学客員教授、チベット文化研究所名誉所長、ブータン王国首相特別顧問など役職多数。

前職 チベットのカム地方ニャロン出身、1959年インド亡命、1965年 日本来日、慶應義塾大学訪問教授、ダライ・ラマ法王・アジア・太平洋地区初代代表、モンゴル国大統領顧問など歴任。
業績 業績等 単著:『チベット入門』(日中出版、1987年)、 『中国は消防士のフリをした放火魔』(ハート出版、2020年)、『日本人が 知らない中国の民族抹殺戦略-中共はなぜチベットを欲しがるのか』(扶桑社、2020年)、中国が仕掛け東アジア大戦争(ハート出版、2022年)、共著:「日本・インドの戦略包囲網で憤死する中国」(ペマ・ギャルポ、 石平、徳間書店、2016年)など多数/そ の他、亜細亜大学アジア研究所報、拓殖大学海外事情研究所報、月刊「中国研究」、月刊「正論」、各新聞、雑誌などに多数記事を寄稿。
専門 テーマ チベット問題、日印関係、アジアの国際政治、インド太平洋戦略

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<基調講演> 堀本武功  (ほりもと・たけのり)

 

現職 岐阜女子大学客員教授・現代インド研究センター上席研究員。博士号(安全保障)

経歴 国立国会図書館調査及び立法考査局長、尚美学園大学大 学院教授、放送大学・拓殖大学客員教授、京都大学大学院特任教授

業績等 単著:『インド グローバル化する巨象』』岩波書店(2007)、『インド 第三の大国へ〈戦 略的自律〉外交の追求』岩波書店(2015)、 単 編著:『現代日印関係入門』 東 大出版会(2017)、『これからのインド:変貌する現代世界とモディ政権』東大出版会(堀本武功・村山真弓・三輪博樹編、2021) など、全17冊。英文共編1冊/訳書2冊。NHK・民放コメンテイターとして50回 余。

専門テーマ 現代世界の国際構造とインド。特に米中覇権争いとインドの大国化との関わり、インド太平洋における日印関係

今日の話題 大きく見れば、現在の国際政治では、枠組み変更(パラ ダイム・シフト)が起きているように見える。これを象徴しているのが、ロシアのウクライナ侵攻と米中の覇権争いとインド太平洋におけ ると中国対日米豪印の動きであろう。世界的なグローバル化を背景に、経済分野では、コネクティビティ(連結性)が大きな意味合いを 持っているが、国際政治でも同じような現象が起きているように見える。このような時代で日本が日印関係を含め、どのように対処すれば 良いかと考えてみたい。

♢♢♢♢♢

 

<発表 1> 小暮哲夫 (こぐれ・てつお)

 

現職 世界と日本をつなぐテーマを特集する朝日新聞GLOBE(2回発行)の副編集長。

経歴 1996年に朝日新聞社に入社し、西部本社 報道センター(北九州)などをへて2006~09年にニューデリー支局長とし てインドと南アジア各国を取材。帰国後、経済部で自動車業界や、震災・原発事故前後の経済産業省、電力業界を担当。2017~21年には、シドニー支局長としてオーストラリア、ニュージーランド、太平 洋の島国の政治、経済、社会を幅広く記事にするなかで、とくに多文化社会、移民社会のオーストラリアの取り組みを紹介することを心が けました。

直近の担当記事 本年10月、「メタン~忘れられた温室効果ガ ス」、「変貌ベトナム」を担当。  
過去5年分の記事 下記リンク にてお読みいただけます。

https://t.co/9rYDrZN5TA

https://globe.asahi.com/series/11013204?to=2

 

発表のテーマ 「オーストラリアから見た印豪連携の可能性」

日米豪印(クアッド)の連携に注目が集まっています。日米、日米印、日米豪という視点で語られることが多 いクアッド各国間の関係のなかで、日本からは少し縁遠い印豪関係からは何が見えるのか。移民社会のオーストラリアでは、華人系をしの ぐ勢いを見せているインド系コミュニティーの存在感の高まりなどを手がかりに、この2カ国の連携の可能性を考えてみたいと思います。

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<発表 2>  笠井 亮平 (かさい・りょうへい)

 

現職 岐阜女子大学南アジア研究センター特別客員准教授

横浜市 立大学/駒澤大学非常勤講師。

経歴  外務省専門調査員として在中国、在インド、在パキスタンの日本大使館にて勤務。

その 後、研究・著述・翻訳活動を展開している。

業績  単著:『インド独立の志士「朝子」』(2016年)、『モディが変えるイン ド』(2017年)、『インパールの戦い』(2021年)。

訳書:S・ジャイシャンカル著『インド外交の流儀』(202211月刊行予定)、パーラヴィ・ア イヤール著『日本でわたしも考えた』(2022年)、監訳書にルイ・アレン著 『日本軍が銃 をおいた日』(2022年)。

専門テーマ 南アジアの国際関係、インド・パキスタンの政治、日印関係史。

発表概要 

 ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、インドは国連のロシア非難決議案の採決で棄権票を投じているほか、ロ シア産原油の輸入を急増させるなど、米欧日とは異なる独自の姿勢で臨んでいる。その一方でインドは、「自由で開かれたインド太平洋」 へのコミットに加え、日米豪と「クアッド」を形成している。インドはいかなる外交戦略を持ち、相容れないようにも見える2つのアプローチについて、どう整合性をとっているのかについて論じていく。

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2部 

 

<ファシリテーター>  福永正明(ふくなが・まさあき)

 

現職 岐阜女子大学南アジア研究センター 特別客員教授

経歴  インド国立バナーラス・ヒンドゥー大学社会学研 究科Ph.D.イ ンド社会学会終身会員、一般社団法人インド太平洋戦略研究センター理事。

研究テーマ 南アジアの社会政治動向分析、ヒンドゥー教の聖地巡礼、インド社会成層論、ヒンディー語

シンポジウムとの関連業績 

・『「岐 阜・白川郷の「世界文化遺産」登録により得た経験を活かす国際協力事業」報告書』、

岐阜女 子大学南アジア研究センター、2004年。

・「The World Heritage Villages of Shirakawa-go and Gokayama, Japan」、『南アジア・アフェアズ』 岐阜女子大学南アジア研究センター研究紀要第7号、7-2620113月。

[書評紹介] Where Cultural Symbols Meet : Literary Images of Varanasi / Singh, Rana P.B. (1989) 、『アジア・アフリカ言語文化研究』、41 pp.167 170

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<発表 1> 宮丸和之 (みやまる・かずゆき)

 

現職 岐阜県大野郡白川村教育長

経歴 1988年4月白川村役場入庁。教育委員会事務局長、村民課長、会計管理者兼財政課長 を経て、2019年5月より現職。

世界遺産登録 世界遺産登録当時、教育委員会事務局文化財係を担当。

発表の要旨 

今回の発表では、世界文化遺産登録後26年間の保存の歴史を振り返って、現在の保存状況を報告します。

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発表 2 ラーナー・ピー・ビー・スィンフ Prof. Rana P. B. Singh 

 

現職 岐阜女子大 学南アジア研究センター特別客員教授、インド国立バナーラス・ヒンドゥー大学(BHU)名 誉教授。

ACLA(アジア文 化景観協会(韓国・インド・イタリア・日本)会 長、国際記 念物遺跡会議 (International Council on Monuments and Sites、略称 ICOMOSインド国家科学 委員会「文化的景観」チーフコーディネーター、ICOMOS-IFLA国際科学委員 会「文化的景観」寄稿専門家(専門家&投票メンバー)、ICOMOS ISC 'Places of Religion and Rituals' (PRERICO) RWYC 会長(アジア)

前職 広島大 学・岡山大学にて現地調査・研究。BHU地理学科教授、2013-15年同学科長。科研費事業の ため大正大学、法政大学招聘教授として来日。

業績一覧 https://bhu-in.academia.edu/RanaPBSINGH/Papers

シンポジウムと関連する研究分野 2004年度の岐阜女子大学南アジア研究センター「「岐阜・白川郷の「世界文化遺産」 登録により得た経験を活かす国際協力事業」の共同研究者、岐阜女子大学訪問教授として来日し、岐阜県大野郡白川村を訪問、現地調査を 行った。

また、四国八十八霊場のお遍路、秩父巡礼路などにて現地調査したことがある。

インドにおいては、北インドにあるヒンドゥー教最大の聖地バナーラス(Varanasi)研究における世界的権威。聖地と巡礼、さらにユネスコ世界遺産と文 化などの研究を進めている。

アブストラクト和訳

岐阜県大野郡白川村萩町の白川郷、富山県の南西端に位置する 五箇山相倉、菅沼の山村(白川郷・五箇山)は、 「合掌」造り農家のユニークな建築でよく知られている。

 1995(平成7)12月、ドイツのベルリン市で開催されたユネスコの第19回世界遺産委員会において、3集落が「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、世 界遺産一覧(WH)表に文化遺産として記載が決定した。これは、日 本に25登録されているWH1つです。急勾配の茅葺き屋根の大きな家は、日本で唯一の事例です。

私は、岐阜女子大学南アジア研究センターの訪問教授として、2004年に現地調査を行い、その後に福永正明教授の協力を得て、現地情報の収集と研究を続 けてきました。

ですから私がここでお話しする対象となるのは、岐阜県の白川 村といことになります。

 

その集落と生息地は、少なくとも11世紀以来維持されてきた文化と自然のインターフェースの良好な融合の代表です。しかし、 時が経つにつれて、彼らはグローバリゼーションの問題と結果、そして世界の他の地域のような現代社会の態度の変化に直面しています。 過去に南アジア(特にインド)と歴 史的なつながりがあり、持続可能な景観を作る際にお互いのサイトがお互いから学ぶことができる潜在的な根拠があるようです。 もちろん、鹿川郷は世界遺産登録から一定の経済的利益を得ており、PPP(官民連携)の戦略で「日本の原風景」を維持するには、多くの課題に取り組む必要があります。社会は、 社会の平和と自然との調和を維持するために、秩序と国民の目覚めを維持することに注意と意識を持つべきです。これは、鹿川郷がかつて 持っていたユートピアのビジョンの教訓です。宗教的信念と慣習は、自然環境と関連する儀式やパフォーマンスに設定された構築された形 を通じて、地元の地理を形作ってきました。丘陵地帯のインドの村のそれに似ています。時間の経過とともに、そのような視覚的形態と伝 統は、政治的支配、アイデンティティ、覇権、社会保障の象徴と見なされることがあり、したがって、社会の分裂と細分化が狭く定義され た目標と領土境界を中心にセグメント化されるため、紛争や政治的干渉にも変わります個人主義、消費主義、唯物論の線を渡る。そのよう な概念は、人間の創意工夫と神性の調和のとれたブレンドに見事に反映された場所の普遍的なイメージを取ることによって促進されるべき ではありません。これは、より多くのユートピア的思考が信念体系の一部であるインドの状況にとっての教訓となるでしょう。 日本の伝統では、すべての文化遺産と自然遺産は、古代からそれらに付随する記憶の連続性のためにその価値と意味を持ち、日本の哲学で は集合的な記憶と風景の共有価値との関係を意味する風道の概念に象徴されています。これは、アジアの他の地域、特に仏教哲学と形而上 学の中心であった南アジアにとって良い教訓です。 WHSリストに登録されて以来、 鹿川郷は自然と文化の環境に優しいバランスを通じて調和のとれた生活を提供するモデルを提示してきました。結果は、への強い流入に よって示されるように、有益ですJapanese translation. 

 

南アジアが学ぶことができる鹿川郷の歴史的教訓:

1.地元 および先住民の資源と遺産は、地元の手段を通じて保護されます

2.特に 若者を鼓舞し、関与させるために、再覚醒と再生プログラムが開始されます。

3.地域 遺産の強力なネットワークが作成され、同じ枠組みで遺産と文化観光が開発されます。

4. RWYCの使 命とプログラム-あなたの文化と再接続することを促進します。

5.サイ トの明確な特徴は、「地域性」と「普遍性」をリンクして開発されます。

6.合掌 の家のそのような独特の遺産を保存するための国内および世界レベルでの大衆の目覚め。

7.遺産 の保護、保存、保全の特別なパッケージを探します。

8.「価 値ある財産としての古い世代の良いものと価値の移転」を意味する日本の「イサン」の概念は、倫理的意味と人生の道徳的価値観において 促進されるべきです。

9.日本 と南アジア領域の間の歴史的文化的つながりは、遺産の促進とグローバルモデルの枠組みの中で再解釈され、強化されます。

10.サイ トの独自性を強調するために、メディアの強力で積極的な役割を促進する必要があります

 

Visiting Professor, Centre of South Asian Studies, Gifu Women’s University, Gifu, Japan

President, ACLA- Asian Cultural Landscape Association (Korea-India-Italy-Japan)

Chief Coordinator, ICOMOS-India National Scientific Committee ‘Cultural Landscapes’

Contributing Expert, ICOMOS-IFLA International Scientific Committee ‘Cultural Landscapes’

Expert & Voting Member, ICOMOS ISC ‘Places of Religion and Rituals’ (PRERICO)

President (Asia), RWYC- Reconnecting With Your Culture (-a Unesco affiliate, centres all over globe)

Ex-Professor & Head (2013-15), Dept. of Geography, Inst. of Science, Banaras Hindu University.

Mob.-WhatsApp: (+091)-9838119474. eM: ranapbs@gmail.com

[for most of my papers see, https://bhu-in.academia.edu/RanaPBSINGH/Papers ]

 

The mountainous villages of Shirakawa- and Gokayama (Shirakawa-murā, 白川郷, and Gokayama, 五箇山) are well known for the unique architecture of their “Gassho” farmhouses and were enlisted in the UNESCO World Heritage List in 1995; this is one among the 25 WH Sites in Japan. The large houses with their steeply pitched thatched roofs are the only examples of their kind in Japan. The settlements and the habitat of the village are representative of good blending of Culture-Nature interfaces that has maintained since at least the 11th century. However, over time they are facing the problems and consequences of globalization, and attitudinal changes in contemporary society, like that of other parts of the world.  Having historical links in the past with South Asia (especially India), there appear potential grounds that each other sites can learn from the other in making sustainable landscapes.

Of course, Shikakawa-gō has received certain economic benefits from their inscription on the World Heritage List, and it must address many challenges if the “original Japanese landscape” is to be sustained through the strategy of PPP (Public-Private-Partnership). The society should be careful and conscious in maintaining order and public awakening to keep peace in the society and harmony with nature, which over time have been threatened. This is a lesson for the utopian vision what Shikakawa-gō once had. Religious beliefs and practices have shaped the local geographies through the built forms set in the natural environment and associated rituals and performances; similar to that of Indian villages in the hilly area. In the course of time such visual forms and traditions are sometimes considered as symbols of political control, identity, hegemony, and social security, thus also turning to conflicts and political interference as the division and sub-divisions in society segmented around their narrowly defined goals and territorial demarcations passing on the lines of individualism, consumerism, and materialism. Such notions should never be promoted by taking the universal image of the place that has been reflected so wonderfully upon the harmonious blending of human ingenuity and divine nature. This would be a lesson for Indian condition, where more utopian thoughts are part of belief systems.

In Japanese tradition all cultural and natural heritage have its value and meaning because of the continuity of memories attached to them from the ancient past and symbolised in the notion of fūdo, which in Japanese philosophy signifies the relationship between collective memories and shared values of the landscape. This is a good lesson for the rest of Asia, especially the South Asia which has been the centre of Buddhist philosophy and metaphysics.

Since inscription in the WHS List, Shikakawa-gō has presented a model that provides a harmonious life through an eco-friendly balance between nature and culture. The result is profitable, as demonstrated by the strong influx of tourists every year, i.e., 1.8 million in 2004, 2.3 million in 2008, and around 2.7 million in 2016. The local people have survived many old traditions, and they themselves follow the ethical code and rules to conserve and preserve the heritage assets of Shirakawa-go. In the recent years, it is felt that the site has suffered due to over tourism, and additionally the impact of Covid-19 has further added a new thought to think of alternative and sustainable tourism. This has been introduced through implementation of a ‘reservation-only policy’ that proved to be highly effective in preventing overcrowded by tourists, however over time this has worked to optimal level. The young generation now no more interested in the traditional village life, mainly due to lack of sense deeply rooted spirit of belongingness. This is not good sign of progress, and maintenance of ecological order where Culture-Nature have integrated frame.

The old traditional system of mutual assistance that was once the main force for binding the society, called “yui”, is now became week. Yui was originally conceived as a local term to describe the unique connections and bonds built among the locals, as exemplified in the traditional re-roofing work by villagers helping one another in the straw-cutting process to bundle the fresh straw to be used as new thatches. This was performed as a ‘ritual’, but now loosened. The recent debate for maintaining ecological ordering in the habitat system, especially in oriental world, may survive this tradition as a model for other parts of Asia, especially India. The recent global advocacy of RWYC- ‘Reconnecting With Your Culture’ would be a gaze in this thought, where emphasis is laid on deeply-rooted ecological education and traditions.  

The historical lessons from Shikakawa-gō that the South Asia can learn:

1.  Local and indigenous resources and heritage be preserved through the local means

2. Re-awakening and regenerative programmes be initiated, especially to inspire and involve younger people.

3. Strong network of regional heritage sites be created and in the same frame heritage and cultural tourism be developed.

4. The mission and programmes of RWYC- Reconnecting With Your Culture be promoted.

5. The distinct characteristics of the site be developed linking ‘locality’ to ‘universality’.

6. Mass awakening at national and global levels for preserving such a distinct heritage of Gassho houses.

7. Special package of heritage protection, preservation, and conservation be sought out.

8. The Japanese concept of ‘Isan’ that means ‘transfer of good things & values of older generation as valuable property’, should be promoted in ethical sense and moral values of life.

9. Historical-cultural links between Japan and South Asian realm be reinterpreted and enhances in the frame of heritage promotion and global model.

10. Strong and active role of media should be promoted for highlighting the uniqueness of the site

 

<発表 3> 加藤英彦 (かとう・ひでひこ)

 

現職 岐阜県商工労働部観光誘客推進課・企画監

経歴 1994JTBに入社し、公務担当として10年 間、アトランタ五輪での長野五輪PRの他、

インバ ウンドや地方活性化等に従事。2004年岐阜県庁に入庁。シンガポールから岐 阜県へ

の延べ 宿泊者の伸び率で全国1位となる等、アセアンからの誘客で実績を上げた後、

JNTO(日本 政府観光局)シンガポールへ派遣。2011年から4年間、シンガポール、マレ

シア、 インドネシア、インドからの訪日旅行促進担当として、日本で唯一の民間・地方

自治 体・国(政府系機関)での勤務経験を活かし、全国の観光関係者をサポート。

帰国後 は、岐阜県の伝統工芸品等の海外プロモーションを担当、2017年からは再び インバウンド担当として、ブランディングの構築や岐阜県の戦略であるサステイナブル・ツーリズムの推進に励み、現在に至る。

発表について

岐阜県は古田知事の2期目のスタートである2009年 から飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクトと銘打ち、観光・食・モノ(伝統工芸品)を三位一体で岐阜県の魅力を世界にプロモーション した結果、その後の10年間で、インバウンド宿泊者が12倍、飛騨牛、鮎の輸出量がそれぞれ約100倍、90倍など、顕著な成果を挙 げてきました。“世界遺産”白川郷を中心に、田舎である岐阜県がどのように世界に伝え勝負してきたのか、そのブランディングやサステ イナブル・ツーリズムの戦略について紹介します。

 

参考・文献

 「DMOのプレイス・ブランディング」(学芸出 版社/加藤英彦ほか共同著書)

WEBサイト 日本政府観光局(JNTO

「サステイナブル・ツーリズムの国内先進事例として、岐阜県の取り組みを紹介(前編)」

https://action.jnto.go.jp/casestudy/2689

「サステイナブル・ツーリズムの国内先進事例として、岐阜県の取り組みを紹介(後編)」

https://action.jnto.go.jp/casestudy/2690

 

 

 

 

岐阜女子大 学南アジア研究センター

 

1.概要

 

 南アジア研究センター(THE CENTER FOR SOUTH ASIAN STUDIES“CSAS”は、南アジア地域(インド、スリランカ、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、ブータン、 モルディブ、計7カ国)に関する、国内唯一の大学附置研究所として、20008に附置された。

 設置の経緯として特筆するべきは、ペマ•ギャルポ名誉教授 (当時:教授、現:名誉教授・フェロー)が主導し、杉山博文理事長の賛同を得て、学内決定により開設されたことである。ペマ •ギャルポ名誉教授は、チベット出身者として多くの学術教育活動に従事し、さらに社会・メディアにおいても活動していたが、 かねてより「南アジア地域を一つの範囲として」認識し、研究対象とすることの意義を強く主張されていた。

 従来から日本では、インドあるいはパキスタンなど、南アジア の各国別の研究は継続され、多くの業績を生み出していた。それは、「インド研究」、「パキスタン研究」との表現からも明らか であろう。

 しかし、これら7カ国の一つのまとまりとして地理的・文化的にもつながり強い地域「南アジア」という概念から、地域研究を広める必要 があった。また国際的にも1つの国に限定せず、「面」として学術研究である「南アジア研究」が急速に進行していた。

 日本と南アジア諸国、特にインドとの結び付きが強まるなか、 経済界も経済交流の活発化に大きく期待していた。岐阜県、県内経済団体からの南アジア地域への関心度も高まり、県内「地域研 究」の「シンクタンク」としての役割も期待された。

 これらの状況のなか本学は、「南アジア研究センター」を附置 した。初代センター長には、ペマ•ギャルポ名誉教授が就任、今日まで重責を担い続けている。

 研究センターは、2000622日施行の『岐阜女子大学南アジア研究センター規程(以下、『規程』)に従い組織、運営が行われている。その目的を『規程』第2条では、「南アジアの国々を中心に、この地域の文化・経済・政治等総合的研究を目的としなが ら、特に現在の動向に注目し、理論的実践的研究を通して県内及び県外に必要な情報の提供及び関連事業を行う」と定める。

 設立以来すでに17年度目となり、組織・活動は非常に拡大、充実している。2017年度の人員組織は計24名により構成され、センター長、客員教員9名(客員教授8名、客員准教授1名)、特別研究員13、研究助手1名である。これらは、南アジア地域における幅広い専門分野、研究・教育業研究計画などから学内手続きを経て委嘱決定する。本研究センターの特徴の一つであるが、在日 外国人研究者3名(インド、中華人民共和国、オーストラリア)、在外外国人研究者2名(インド)が特別研究員として研究・調査活動に参加している。

 研究センターにおける活動は後述するが、設置当初は「岐阜市 の私立女子大学である岐阜女子大学が、なぜ南アジア研究を?」との反応が多く、疑問の声が大きかった。しかし、センターの活 動はもちろん、センター員各位の学術研究により、今日では学界において存在は高く評価されている。また、新聞・テレビなどメ ディアでの報道、解説出演、寄稿、国会における参考人陳述(2017428日、衆議院外務委員会、福永正明客員教授)など、「岐阜女子大学南アジア研究センター」の名 称は「南アジア研究機関」として、確実に社会に認知されたと考えている。

 現在、センター員である客員教授が大学学部生、および公開講 座受講生を対象とする計2科目を担当しており、研究センターにおける知見、さらに南アジア地域の動向や人びとの暮らしと社会など多くの内容について教授している。

 今後も、日本における南アジア研究を発展さのみならず、南ア ジア地域における日本研究にも助力し、さらに日本と南アジア地域の人びとの友好、市民レベルでの交流促進のために活動する所 存である。

 

2.活動報告

 

南アジア研究センターは、『規 程』の定めに従い、主に以下の活動を展開する。1.南アジア地域総合研究、2.センター員個別研究、3.国内外の研究連携、学内外の研修・研究活動支援、4.一般向け公開事業、5.情報提供サービス。

本日のシンポジウムと関連する事業は、以下の通 り。
「岐阜・白川郷の「世界文化遺産」登録により得た経験を活かす国際協力事業 2004年 度

   助成金名:財団法人岐阜県国際交流センター  「水と緑の国際交流基金助成金」

   内 容:1)インド国立バナーラス・ヒンドゥー-大 学地理学科のラーナー・ピー・ビー・スイィフ教授を

本 学訪問教授として招聘した。

       2)同教授による本学における研究会、岐阜県民講 座(2カ 所)で の講演。

         岐阜県関係諸機関の訪問、白川村における 現地調査、白川中学校での

                特別授業(中日新聞飛騨版に掲載、添付)など を実施した。    

         3)事業報告書の刊行

 

3.研究報告

 

1.南アジア研究センター 紀要(年刊) 『南ア ジア・アフェアーズ』
 『南アジア・アフェアーズ』は、南アジア研究センターの研究活動を報告し、その業績を紹 介、さらに内外研究者による専門論文を内容として2004年 第1号〜2021年 第18号 を刊行。
 
なお、第1号 には「創刊記念:巻頭エッセー」として故川喜田二郎先生より「ヒマラヤの山村にて」との文を掲載し、日本における南アジア研究専門学 術誌として出発を果たした。

 

2. 岐阜女子大学南アジア研究センター 研究叢書シ リーズ

 202211月、 第1号 刊行。研究センター創設20周 年記念事業として、日本および南アジアの重要資料、論考などを「叢書シリーズ」として刊行する。

 

 

 


2023/4/1